さぁ、どんどんいきましょう!
今回はメルボルンの夜に起きたなかなかのハプニング、「深夜の警察署へ強制連行事件」です!
シドニー、カトゥーンバ、ニュウタウンとライブを終え
飛行機でメルボルンに移動。
メルボルンでの 2本目のライブは前回も出演したThe Espyというビーチの近くにあるメルボルンでは有名な大きなライブハウス。
この日はオーガナイズしてくれたスコット(フルハウスのジェシーおじさんのような、絵に描いたような海外ドラマに出てくる粋な男)の計らいで、集客を増やすために地元の大学のパーティもEspyで行なわれており、僕らの出演時間には本当に沢山のお客さんが居ました。
ライブも盛況に終わり、出演者ドリンクがクーラーボックス一杯に用意されていたのでビールやらワインやらをご馳走になり、良い気分でイベント自体が終了しました。
深夜になり、僕らもそろそろ帰ろうということで、疲れた体を引きずってEspyを後にしました。
メルボルンではトラムという路面電車が交通の要で、それに乗って帰ろうとするも既に終電が終わっていて、僕らは大通りでタクシーをピックアップしました。
(今でも忘れない。シ〇バートップという会社)
僕が助手席、朝倉と朝間が後部座席へと乗り込み、泊まっていたホテルへとタクシーは走り始めました。
そしてここから、事件は始まっていくのです!
タクシーに乗り込んだ僕らはツアー疲れもあり、ほぼ無言。
ドライバーは中東系のおっちゃんで、そんな雰囲気を察したのかただ黙々と運転してくれて、 僕らはうとうとしながらホテルに着けるのを今か今かと待っていました。
走り始めて5分ほど。
まだそれほどEspyからも離れていない場所でそれは起こりました。
バーン!!ガリガリガリ!!ドーーン!!!
・・・え?今のはなんですか??
思いも寄らない衝撃で僕は一瞬体が浮き上がりました。
なんと、後ろから来た車が僕らの乗っていたタクシーのリアバンパーに激突し、そのまま左横をこすりつけながらサイドミラーごと破壊して走り抜けていったのですw
一瞬何が起きたかわからない僕ら。
パニックになりながらもクラクションを鳴らすドライバーのおっちゃん。
そうです。
完全に事故に遭ったのです。w
少し走ってぶつかってきた車は路肩に停止。
僕らのタクシーもすぐ後ろに停車。
おっちゃんが降りていって前の車の人と話しをしにいきました。
僕らはかなり疲れていたこともあり「何てついてないんだ。。」と、とりあえず下車。
おっちゃんが前のドライバーとなにやら話をしているが、なんとも不穏な雰囲気。
傍目でみている感じ、おっちゃんは気が弱く、おそらく英語もまだまだ上手く話せない様子で一向に具体的な話が出来ている気配が無い。
道路をうろうろして完全にパニックになっているおっちゃん。
ただ待たされる僕ら。
そこで、僕はあることに気付きました。
今回のツアーでVIVARTAはオーストラリアでの様子を収める為に、一人一台音楽用の動画を撮れるハンディを持っていっていたのです!(面白い動画やライブ映像が沢山残っているので皆に見てもらう機会があれば良いけど。。要望が多ければまたそれらを何かしら発表するか考えます!)
何か思い出になるのではと、僕はおもむろにビデオを回し始めました。
破損した車の状況から、何から色々と撮影をしました。
ぶつかってきたドライバーに近づいてみると案の定、かなりアルコールを呑んでいるような感じでした。
「なんだよこいつはふざけるんじゃないよ。。」
と思っているのも束の間、その相手のドライバーがさっきまで大人しかったのに、ビデオを回していることに気付き、
「撮影してんじゃねぇ!」「ファックユー!」
といきなり怒り始め、挙句の果てにはパニックになって何も言えないおっちゃんをいい事に、急に猛スピードで車を発進させ、逃げていったのです。
呆然とする僕ら。
もっと呆然とするおっちゃん。
僕らはおっちゃんに
「もちろん相手の連絡先は聞いたよね?」
と尋ねると、おっちゃんは肩を落とし
「ノー。。」
とポツリ。
「じゃあ、相手の車のナンバーぐらい覚えたの?」
「ノー。。。。」
「え?じゃあどうするの?」
「アイドンノウ。。。。。」
「えぇーーーー?」
子供か??!!
おっちゃんはただただ何も出来ずにパニくっていただけなのでした。
僕らは違うタクシーを拾うと言っても「とりあえず待ってくれ」とおっちゃんが言うから疲れている中、事故に遭っても我慢していたのに。
おっちゃんは事故のパニックで僕らのことは気にも留めず、「さぁ、ホテルまで送っていくから乗れよ」とまた普通にメーターを動かしてボロボロの車で仕事を始め、ため息ばかりついて運転を開始したのです。
ちょっと待ちなさい。
おっちゃんの気持ちも分かるけど、客の僕らをもっとケアしなさいよ。
しかも、事故にビビっていて、どうしようもなくノロノロと運転していくおっちゃん。
お陰でタクシーのメーターは上がる上がる。
さすがの僕らもイライラが募り、ちゃんとしてくれないことが大嫌いな僕は今にも爆発しそうな状態に。
しかし、メンバー皆を我慢させたのは
「このおっちゃん、タクシー壊して、相手のナンバー1つ覚えて無くて、英語すらおぼつか無い。このまま会社に帰ったらクビなんだろうなぁ。。」
というあまりにも可哀相なこのおっちゃんの立たされている現状でした。
ホテルに着き、きっちりお金を取られて僕らはタクシーを降りました。
その場に停車してまだ呆然と現実を受け止められないおっちゃん。
僕らは立ち去ろうとしました。
しかし、あることに気がついたのです。
「さっき撮った映像に相手の車映ってるんじゃないの?」
見返してみるとやっぱり。ばっちりと相手の車からナンバー、運転手の顔まで映っている!
もう真夜中。次の日はゴールドコーストに出発するので朝も早く準備もしなければいけない。
おまけにライブ終わりでくたくた。
僕らは迷った末に、あまりにも惨めなおっちゃんを放ってはおけず、そのことをおっちゃんに伝えました。
ナンバーと車種を伝えてあげて、短い付き合いだけどおっちゃんの性格からしてまた何も出来ないかもしれないと思い
「今すぐ警察に連絡しろ!」
とおっちゃんが電話をかけ終わるまで見届けました。
そして僕らが、「疲れたので帰るよ。」というと、おっちゃんが僕らに向かって言うのです。
「いや、そのビデオを持って今から一緒に警察に行ってくれ!」
。。。おっちゃん。求めるねぇw
「もうさすがに疲れたから帰してくれ!番号が分かればOKだろ?」
さすがの僕も精神的に限界にきていたのでおっちゃんの要求を受け入れず口論をしていました。
すると。。
後ろから朝倉と朝間の囁くような声が。。
「500ドルは取れるやろ。。」「うんうん、そうやな。」
え?500ドル?
そう、なんとここへきてビデオを渡して欲しければ500ドル払えという完全にビジネスの話しをしていたのですw
VIVARTA、なかなかやりますね。w
手始めにとりあえずさっき払ったタクシー代は返してくれと言うと、すぐさま胸ポケットから全額返してくれるおっちゃん!
完全に形勢が逆転しましたw
しかししかし!困っている人に悪いことができるような奴がいないのがVIVARTA。w
おっちゃんの怯えたうさぎのような目を見ているととても500ドルの話しを突きつける勇気がなく、僕だけしょうがなく、警察署まで同行することになりました。
おっちゃんのタクシーで大きな警察署に着いた僕。
"夜中に来た人は横のボタンを押してください"という日本でも良く見る張り紙にも気付かず
「なんで開いてないんだ。。もう駄目だ。。」
とパニックになるおっちゃんw
本当にこの人は駄目な人だと思いながらインターフォンを鳴らし事情を話し、おっちゃんを連れて中に入りましたw
中では、プリズンブレイクの主人公のような坊主の格好良いオージーポリスがしっかりとした対応をしてくれて、パニックおっちゃんに優しく調書を取ってくれました。
僕は別の部屋でベテラン刑事のような人とマンツーマンで生まれて初めての英語での調書を取られ、プリズンブレイクとは大違いの対応の悪さにも耐え、待たされながら2時間ぐらいかけて何とか全ての話しを終え、無事にビデオのデータを警察のパソコンに移して終了しました。
するとプリズンブレイクが入ってきて
「外に君の友人が迎えに来ているよ!」というのでマジックミラー越しに覗くと
時間が長くなって心配した朝倉と朝間が、色んな人に場所を聞き歩いて駆けつけてくれていたのでした。
警察の人におっちゃんよりも数倍しっかりと「協力してくれてありがとう」と言われ、
帰りはまたおっちゃんのタクシーでホテルまで送ってもらいました。
パニくっていたおっちゃんもやっと正気を取り戻し、笑顔で今夜のことを振り返り上機嫌でした。
「グッドラック!」
とおっちゃんに告げ、深夜深くに別れました。
すこしだけ、500ドル貰っておけば良かったと後悔しながら眠りましたw
これが、本当にハプニングだった、「深夜の警察署へ強制連行事件」です。
いやぁ、これは大変だった。
本当におっちゃんは頼りなかったw
でも今じゃあ笑い話です。
何より怪我が無くて良かった。
今思い返せば、本当に金をせしめておけば良かったと思いますがw
おっちゃんがまた元気に仕事して、事件も無事に解決していることを祈るばかりです。
さて、色々なハプニングがありましたが、次回がブログとしては最後。
「ゴールドコースト VIVARTAライブ盛り上がりすぎて〇〇出動事件」について
書けたら書きますw